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ゆるり鑑賞 Yururi kansho
観た映画やドラマ、読んだ本なんかの感想をぼちぼちっと記していきます。
輝ける女たち



↑オリジナルサウンドトラック

監督 ティエリー・クリファ(2006年/フランス)
テアトル梅田にて鑑賞。

【物語のはじまり】
南仏・ニースにあるキャバレー「青いオウム」のオーナー、
ガブリエル(クロード・ブラッスール)が帰らぬ人となる。
葬儀の為、彼の遺言により疎遠になっていた家族が集まるが。。。

監督はティエリー・クリファ。これまで存じ上げませんでした。
実は、フランソワ・オゾン監督の「8人の女たち」がしっくりこなくて
私には面白くなかったので、もしかして同じパターンだったら。。。と
危惧してましたが、よかったぁ、全く別物です。

オープニング、キャバレーのシーンから心踊ります。
ウキウキする雰囲気。

ドヌーブに関しては、「ロシュフォールの恋人たち」や「昼顔」の頃の、
ある種無機質で神秘的な彼女に馴染みがあるので、
最近の堂々とした腰回りや、嫌味なフランス女性の役を無理なく演じてるあたりには
少々複雑な印象。けど、人間くさいドヌーブも、別物として割り切って観ると、素敵です。

エマニュエル・ベアールは相変わらずキュートですねぇ。
素顔っぽく撮っているシーンが特に可愛いかった。今回は歌もまぁまぁ良かったし。
しかーし、後半でジェラルディン・ペラスの歌(ベット・ミドラーのローズをフランス語で)を
聴いたとたん、それまでのE.ベアールの歌はなんやったん、と思ってしまう位、
G.ペラスの歌が素晴らしかった!久しぶりに鳥肌たちましたよっ。
なんか、思いがけないプレゼントをもらった気分になって、こういう映画っていいよなぁ。

他にも、心浮き立つシーンが結構あってディテール的にもいいんですが、
ストーリーも好感がもてるものでした。
家族の再生みたいな話ですが、アメリカ映画にありがちな、
ムリにでもみんなまとまって団結しちゃう!とかいうのじゃなく、
あくまでも個人個人の好きにやっちゃって〜、でも
お互いの尊厳は認めますよ的な感じが良いですね。

茶目っ気のあるおフランス〜ものが好きな人は
満足される作品だと思います。
  
フランドル
監督 ブリュノ・デュモン(2005年/フランス)
テアトル梅田にて鑑賞。

【物語のはじまり】
フランス北部、フランドル地方の小さな村。
そこに暮らす少女バルブ(アドレイド・ルルー)は
幼馴染みのデメステル(サミュエル・ポワダン)と体を重ねる一方、
カフェで知り合ったブロンデル(アンリ・クレテル)とも関係を持つ。
デメステル達、村に住む若い男達は村を出たい一心で戦地へ向かうが。。。

監督は第2作『ユマニテ』でもカンヌ映画祭審査員グランプリを受賞した
ブリュノ・デュモンです。俳優陣はアマチュア(す・すごいんですけど)
という事です。とは言っても、彼の作品を観たのは初めてです。

この映画をもし観るなら、劇場をお勧めします。
普通の映画以上に集中力を必要とするからです。
もちろん、家にシアタールームとかいうのをお持ちで、
電話にも家族にも雑音にも邪魔されない場合は別かもしれません。

この作品の中では「静寂」というものが、大きな役割を占めています。
その静けさが、何か詩的な雰囲気を感じさせてくれます、不思議に。
「静寂」を保てない環境でこの作品を観たら、たぶん大きく印象が
変わってしまい、受け止めるものが無くなってしまうのではないかと思いました。

それにしても、バルブはファッションも含めてすごく可愛いのに、
男達のいけてないこと。。。男性監督ゆえか。
まぁ、そもそもバルブのような存在は、女性監督ではありえないかも。

ただしこの映画は、正常なモラルの持ち主でかつ、ストレスに極端に弱い方は
観ない方がいいかもしれませんね。見るに耐えないシーンも結構あります。
人間社会の不条理さや、人間の憎むべき面を露骨に見せつけられ、
精神的につらくなってしまう作品でもありますが、えーっと、
この先はネタバレになるので。。。

※ここらかネタバレ含みます。

それにしても、男達が戦場へ行ってからのバルブの苦しみっぷりに
「お前は霊能者か!」って突っ込み入れたくなりましたよぉ。
彼等の行動と妙にリンクしてるんやねぇ。
最後は「私、見てたんだから」とか言っちゃってるし。

しかーし、バルブのおかげで観終わった後の気持ちは暗くない。
去年観た「麦の穂をゆらす風」の方がよっぽど救いようがなく暗かったです、

※ここまで。

村の自然が美しいのに反して、住民の家屋の周りが雑然と散らかっていて
汚いのが妙に印象的で、リアルでもありました。
  
スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー
監督 シドニー・ポラック(2005年 ドイツ/アメリカ)
梅田のシネ・リーブルにて鑑賞。
「知識は無いけど観ちゃいましたシリーズ(?)」その2

近代建築の巨匠フランク・ゲーリー。
彼の壮大なアイデアは、いったいどこから生まれるのか?など、
長年の友人でもある監督シドニー・ポラックが迫るドキュメンタリー。

金曜日の日中という事もあってか、観客は私を含めて7、8人。
ちょっと寂しい。しかも仕事中なのか、スーツ着用の男性が多かった。

ロビーに掲示してある、ゲーリー作品の写真パネル。一応、鑑賞前に目を通しておきましたが、
そんな必要もなかったかも。映像でたっぷり見せてもらえます。

映画を観る前も後も、感じていた素朴な疑問は、
「まず、デザインありきなのか」という事です。
しかーし、実は前日の睡眠不足のせいか、映画の後半2、3度うとうとしてしまい、
作品の中でそれについて語っていたかどうかははっきりとしません。トホホ。。。

ゲーリーのデザインする建造物を映像で見た時、かつて彫刻家だった服飾デザイナーが
造る洋服を見た時と、同じ様な印象がありました。
個人的には、何か惹き付けられる、心ゆさぶられるものがあるのも事実ですが、
中には正直、生理的に好きじゃないなぁと感じるものもある。

好きな作品もあれば嫌いな作品もあるというのは、
他のファッションやインダストリアルデザインにも言える事ですが、
建築のデザインというのは造られた後、長く人々の目にさらされ
公共性が高いという所が異なってますよね。
直接、その作品とは関係のない人にも影響を与え易い存在だし。

※ここらかネタバレ含みます。
実際、ゲーリーの発言で「出来上がるには時間がかかるので、
出来た頃にはイヤになっているものもある」という意味合いのものがあり、
ちょっと気になりました。
※ここまで。

また、若いデザイナーやアシスタントにもフランク(駄洒落じゃないよ!)で
気取らない態度のゲーリーに、好感が持てました。

余談ですが、ティファニーのジュエリーにはゲーリーのデザインしたものがあって、
映画の前にキッチリCM流していました。
厚手の商品パンフもロビーに平積みしてあるという念の入れ様。
しかし、この映画を観に来る人の中で「ティファニー」に興味のある人がはたして
どれ位いるのかは疑問。
  

300(スリーハンドレッド)
監督 ザック・スナイダー(2007年/アメリカ)
梅田ブルク7にて鑑賞。

【物語のはじまり】
紀元前480年、ペルシア大王クセルクセス(ロドリゴ・サントロ)は
スパルタを次なる標的に定め、服従の証を立てるよう迫る。
その要求を拒否したスパルタの王レオニダス(ジェラルド・バトラー)は、
スパルタの精鋭たち300人と、100万の軍勢を持つペルシア軍に立ち向かう事を
決意するが。。。

マンガです。コミックです。
基がアメリカン・コミックなので、予測はついてましたが。
しかも男子向きかと思われます(←性差別ではありません)。
王と王妃のラブシーンは、はたして必要あるんでしょうか?

妙に生々しいベッドシーン等は、男子受けを狙った演出の様に
思ってしまいました。

又、この手の映画には深いストーリー性など求めてないので、
自立したスパルタの女性の姿を描く必要なども無かったと思います。
戦死達の話で完結してた方が、かえって潔さを感じんやけどなぁ。
なぜ、マッチョな映画では必要不可欠な様に女性を絡めたがるのか、
というのは昔から私の疑問なんです。

実際の古代都市スパルタは厳格な階級制度だったようなので、
映画の中でスパルタ人が「自由」「民主主義」等と自分達の社会を
表現していたのには、ちょっとビックリしてしまいました。

映画を観終わった感想としては、「ロード・オブ・ザ・リング」の
ファラミア(デヴィッド・ウェンハム)の演じてた役が、
一番印象に残っておいしい役やん! という位でしょうか。
寂しい感想になってしまった。。。
  

ロストロポーヴィチ 人生の祭典
監督 アレクサンドル・ソクーロフ
(2006年/ロシア)
梅田ガーデンシネマにて鑑賞。
「知識は無いけど観ちゃいましたシリーズ(?)」その1です。

今年4月、惜しくも他界した世界的チェリスト、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ。
彼と妻であるロシアの国民的オペラ歌手ガリーナ・ヴィシネフスカヤの、
波乱の人生や芸術への信念を、アレクサンドル・ソクーロフ監督の
インタビューを交えながら、紐解いていくドキュメンタリー。

タイトルこそ、「ロストロポーヴィチ...」となっていますが、
これはもちろん、彼と妻、二人の物語です。というか、私には
監督がヴィシネフスカヤにより惹き付けられているように感じられました。
私自身がそうだったように。

ロストロポーヴィチの様に愛情に恵まれた子供時代を過ごした快活な性格の人物よりも
むしろ、不幸な子供時代をおくり、強い意志を感じさせる瞳をもつ
ヴィシネフスカヤに興味を持つのは当然の事だと思えますが、それだけではなく、
ヴィシネフスカヤは芸術家でありながら、慈愛に満ちたまさに大地の様な母
そのものに思え、魅了されてしまいました。

それにしても、二人の芸術に対する情熱にはこちらまでも熱い気持ちにさせる何かがあります。
作り物でない、人の生き様やパーソナリティを感じる事ができるのは
ドキュメンタリーの醍醐味ですね〜。

映画の中で、一般の聴衆をとらえた映像がすごくいい!
みんなロストロポーヴィチを愛している、すばらしい表情。
こういう人達の存在が愛おしく思えて、少し幸せな気持ちになりました。
  
ゆれる
ゆれる
監督 西川美和
(2006/日本)



【物語のはじまり】
写真家として東京で成功している猛(オダギリジョー)は母の一周忌で帰省する。
父と共にガソリンスタンドを経営する兄、稔(香川照之)や、
そこで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会するが。。。

冒頭から、主人公が好きになれない。
ネクラで軽薄(ケーハクならせめてネアカであって欲しい)と、
異性としてはもちろん、同性の友達でもイヤなタイプだ。
ある意味、こんな気持ちにさせるオダギリ・ジョーはすごいけど。

すごいと言えば、香川照之はいつもながら上手い。
普段良識があるようで、どこか狂気を秘めていそうな人間に
見えてしまう。目が恐いですぅ。

また、日常生活の1シーン、1シーンの撮り方が妙にリアルで感心してしまった。
それだけに、息苦しい。妙にねっとりしてる感じ。

観る側の想像力がすごくかき立てられる、おもしろい作品だと思います。
生理的にはあまり好きなタイプの映画じゃないけど。
でも、やっぱり気になっちゃいます。
いややなぁ、と思いながらも、再度観るかもしれない作品。
恐いものみたさの心理かなぁ。
  
ブリッジ
監督 エリック・スティール(2006年/アメリカ)
梅田ガーデンシネマで観ました。

サンフランシスコを象徴するゴールデンブリッジは、世界有数の自殺スポットでもある。
そこにカメラを向け自殺者の様子を撮り続け、また、飛び降りた人々の肉親や友人たちの
インタビュー、一命をとりとめた人物の証言を交えたドキュメンタリー映画。

※今回ネタバレ含みますので、ご注意ください。

この映画で一番印象深かったのは、飛び降りて奇跡的に助かった若者の
「飛び降りた瞬間に生きたい!と思って、衝撃の少ない体制をとろうとした。」という言葉。
想像でしかありませんが、死を望んでいるように見える多くの自殺者が、
実はこの若者のように思いながら亡くなっているのではないでしょうか。
そう考えると余計に救われない気持ちになります。

橋の上から飛び降りようとしている人に、声をかけてハグしたいと思うのは、
私のただの甘い感傷かもしれません。そんな事では何も解決しないのが現実でしょう。

ただ、自殺者の周りの人達の苦悩(救えなかった罪悪感等)は、
これからも長い間その人達に付きまとうものかもしれないと
考えた時、人間は決して一人では生きて行けない、
また、一人の様に見えても一人ではないんだと
今さらの様に思えました。

サンフランシスコの澄みきった青空と美しく青い海が、
厳しい現実と対照的で深く印象に刻まれる。

残念だったのは、飛び降りた人々を「うつに悩んでいた」とする
ケースがほとんどだった事。偶然かもしれませんが、自殺の原因は
精神的な病気だけではないはず。
再度観る事はないと思いますが、いろいろな事を考えさせられる
ドキュメンタリーでした。
  

ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール



監督 イヴァン・アタル
(2001年/フランス)

【物語】
パリに住むスポーツ記者イヴァンは、平凡な男だった。
妻が女優、シャルロット・ゲンズブールだという事を除けば。。。

シャルロットの私生活でのパートナーであるイヴァン・アタルの
長編監督デビュー作です。
「フレンチなしあわせの見つけ方」を観たいなぁと思ったので、
その前に同監督のこの作品を観とこっかなと。

なんとなく予想していた通りの作品で、夫婦感の価値観の違いや、
家族の問題を軽いタッチで描いていて、楽しく観ました。

まー、シャルロットだから観る、という所もありますが。
少女の頃から持っている何かを失っていないと思わせてしまう数少ない一人。
親子ってその辺が似るんですね。ジェーン・バーキンは、年を重ねても
いつまでも中世的で少女っぽいし。

イヴァン・アタルもなかなか面白い人だなぁと印象を持ちました。
すこーしトホホな男を誇張してグッと情けなくしている感じで、
二人の実生活を覗いている気分には全くなりませんでした。
撮影所でのヌードシーンなども、ユニーク。

先日観た「恋愛睡眠のすすめ」では地味な役だったシャルロットも、
この映画ではファッションその他も含め非常に可愛いので、
ファンの人にはより一層楽しめる映画ですね。
  

情婦
情婦 [スタジオ・クラシック・シリーズ]
監督 ビリー・ワイルダー
(1957年/アメリカ)



【物語のはじまり】
退院したばかりの敏腕弁護士ロバーツ(チャールズ・ロートン)は、
付き添い看護婦(エルザ・ランチェスター)の口煩さにうんざり。
そんな彼に、金持ちの未亡人を殺した容疑をかけられたレナード(タイロン・パワー)が
弁護を依頼する。
レナードのアリバイを証明するのは妻クリスティーネ(マレーネ・ディートリッヒ)
だけだったが。。。

アガサ・クリスティが好き! ビリー・ワイルダーも好き! で、好きなものの二乗なんですが、
実はこの作品、初めて観ました(原作「検察側の証人」は何度も読んでますが)。
NHKBSで録画を失敗したので、ビデオ買っちゃいました。

冒頭からレナードと看護婦との掛け合いにニンマリ。いいなぁ。
原作にはない個性と味付けをこのあたりに感じました。

タイロン・パワーが軽薄な男をなかなか上手く演じていますが、
なんといってもディートリッヒがいいです。
ディートリッヒといえば、退廃的な美貌と脚線美とよく言われますが、
個人的にはけっこうファニーフェイスだと思うんですよねぇ。
でも、他には類をみない一種独特の雰囲気があるので、惹き付けられて
目が離せないんです。不思議な魅力。
他の映画では気が付かなかった彼女の魅力も、この作品で発見しました。
(詳しくいうと、完全にネタバレになるので控えさせてもらいますが)

けれども、この映画はチャールズ・ロートンが主役ですね。
気の利いたセリフもロートンが言うと活きてくるし、
法廷のシーンでも魅せてくれます。
この愛すべきキャラクターのおかげで、最後までどこか軽妙な作品でした。

それにしても、原作が頭に入ってなかったらもっと面白かったやろなぁと
思ったのも事実です。
  
ラッキーナンバー7 ★



監督 ポール・マクギガン(2006年/アメリカ)
原題:LUCKY NUMBER SLEVIN

【物語のはじまり】
空港の待合室、車椅子の男(ブルース・ウィリス)は20年前に起こった残酷な話をし始める。
一方、NYのアパートに友人を訪ねたスレヴン(ジョシュ・ハートネット)は、不運続き。
友人と間違えられ、大物ギャングのボス(モーガン・フリーマン)に
借金の返済を迫られるが。。。

昨年 梅田ピカデリーで見たこの映画、6月22日にDVDが発売されます。

もう、オープニングクレジットからすごくスタイリッシュなんです。おしゃれやねぇ。
ピン!ときたというか、その時点からあっ、この映画好きやなぁと思って。

最初から、何がなんだかわからないうちに、なんだろう、どうなってるのと、
引き込まれる。このスピード感はなーんか、ガイ・リッチー監督の
「スナッチ」を思い起こさせました。

冒頭、空港の待ち合いロビーのシーン。ブルース・ウィリスの存在感が
無気味でゾクゾクして、いい感じ。

ジョシュは前半ずーっとほぼ裸。セクシィとかいうんじゃなくて、
情けない感じに拍車をかけている。
(その前の「ブラック・ダリア」が案外つまらなかったのでがっがりしましたが、
 この作品でジョシュは無駄に使われてはいない。)

そこに現れるルーシー・リューは、まるで一輪の花。力強くまた、
癒しの存在でもある。デイジーとかガーベラのイメージかなぁ。
それまでルーシー・リューという人のよさが理解できませんでしたが、
この映画で初めてなんかいいやん!と思いました。

ところで、「ER」11シーズンまでサムの息子アレックス役をしていた男の子が
子役として出演していました。めちゃ可愛い。ギュッとしたくなりました。
第12シーズンからは違う子役に変わってしまったのですごく残念。

この作品は全体の2/3位までが一番面白かったと思います。
中盤あたりのあるシーンで、ハッハーンと謎がとけてしまいましたが、
その後もそれなりには楽しめました。

だた、モーガン・フリーマン、ベン・キングズレーという豪華キャストが
今ひつと活きてなかったような気もします。

※ここらかネタバレ含みます。
スレヴンの最終目的をはたすシーンが残酷なだけで、面白さやひねりがなく、
必要以上に長く感じましたねぇ。せっかくのリズムがここでくずれてしまい
残念でした。
ここまで※

ポール・マクギガン監督作品といえば、同じくジョシュが主演の
「ホワイト・ライズ」(2004年)、まだ観てないので近い内にぜひ観たいと思います。

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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
監督 松岡錠司(2007年/日本)

この作品は、リリー・フランキーさんが、自身の母親との半生を綴り
ベストセラーとなった、あの有名な長編小説の映画化です。

どちらかというと邦画が苦手な私ですが、オダギリジョー、樹木希林、小林 薫と、
主要な出演者が上手い(そして私の好きな)人達なので、安心して観られる!
(正直、邦画は下手な人が出てるとソワソワして落ちつかない気分になる時が
ままあります)と言うことで、梅田ピカデリーにて鑑賞。

原作は読んでいないし、もちろんテレビドマラも観てなくて、
予備知識はあまり無い状態で、ちょっと楽しみ。

もう上映が始まってから結構な期間がたつのにもかかわらず、
水曜日という事もあってか、空席は見当たりませんでした。
「パイレーツ・・・」よりも賑わってます。
久しぶりに大きな劇場で満員状態で鑑賞するのは、勝手が違って軽い緊張感があります。

オダギリジョーの淡々とした語り口がいいんでしょうか。
冒頭から映画にすんなり入り込めました。
のっけから「笑い」があって好感度もぐっと上がり。

内田也哉子さんのいい意味でボンヤリした感じも、この映画の雰囲気に合ってるし、
セリフのみのシーンで、樹木希林さんかと思う位そっくりな場面がありました。
一人の女性を年代によって二人の俳優が演じわける時、
けっこう違和感を感じる事もあるんですが、この作品は成功していると思います。
内田也哉子さんの方がかなりおっとりした印象なんですが、
基本的なテイストが同じなんですね(親子だからと言われればそれまでですが)。

ところで、私の周りの大阪市内・阪神間出身の男の人は、小さい頃はもちろん、
いい年のオッサンになっても自分の事を「ボク」と言います。
「オレ」とか「ワシ」とか言う人が周りにいないせいか、
たまにそういう人を見かけると違和感を感じてしまったりして。
この物語の場合は、「ボク」という一人称が、主人公の甘えん坊体質を
表している様な気もしますが、同時に親近感も抱きますね。

物語は全体的に淡々と描かれていて、所々に笑いがちりばめられ、
無難にいい作品だと思います。
作品自体に心揺さぶられるという事はありませんでしたが、
出演者の演技には心打たれるものがあったし、
佐々木すみ江さんや渡辺美佐子さんを観られたのもうれしかった。

ただ、必要ないのではと思わせるカメオ出演も所々ありました。
テレビ局が制作にからんでると、そういう事をやってしまうのかなと思ってしまいます。
それから、私個人は、松たかこさんの演技が何か浮いてる様に感じました。
(「THE 有頂天ホテル」の時も同じ様に感じたので、好き嫌いの問題かもしれません。)
結構重要な役なので、惜しかったです。日本の女優さんは詳しくないんですが、
かわりに誰がよかったかなぁ等と考えたりしてしまいます。
麻生久美子さんだとイメージ違うし、時効警察になっちゃうしなぁとか。。。

原作は文庫本が出たら、読みたいと思います。
  
毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト
毛皮のエロス~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~

監督 スティーヴン・シャインバーグ
(2006年/アメリカ)



【物語のはじまり】
1958年のNY。写真家の夫の助手を務めるダイアン(ニコール・キッドマン)は、
アパートの上の階に越してきたマスク姿の男、
ライオネル(ロバート・ダウニー・Jr)に心ひかれる。
その姿を写真に収めたい欲望が沸き起こったダイアンは、やがて、彼の部屋を訪れる。

テアトル梅田にて、鑑賞(上映後、初の水曜日にもかかわらず、ガラガラ)。
もう、DVD出てるんですね。知りませんでした。
あっ、でも劇場向きの映画かな。

この作品は、ニュー ヨークのサブカルチャーを代表する写真家
(らしいですが、存じ上げません)
ダイアン・アーバスに対するオマージュという事ですが。。。

のっけから、全裸の男女がフツーに生活している風景が出てきて、
その滑稽さに(本人達は大真面目だと予測できるだけに)ちょっと笑ってしまった。
リアルに不格好な彼等と、美しいニコールとが対照的。

N.キッドマンは特に好きなタイプの女優ではないのですが、
この映画はなんとか彼女でもっている様に感じました。
良妻賢母でありながら、自分の中の何かをもてあましている主人公
(あくまでもフィクションという事なので)を上手く演じていました。
(「アザーズ」でも素晴らしかった。こちらは作品自体もすごく良かったし。)

狂気を内に秘めた役といえば、「めぐりあう時間たち」でも
ヴァージニア・ウルフ(彼女もダイアン・アーバスと同じく、自殺していますね)を
完璧に演じていました。やはり、すごい女優だと思います。

個人的には好きなタイプの映画ですが、今ひとつ主人公の心の葛藤等が
伝わってこないというのが正直な感想です。
ライオネルに惹かれていく過程も唐突すぎる様な気がするし。
(それまでに、主人公の性癖についての説明シーンが欲しかった)

ただ、ライオネルの部屋を初めて訪れる時のドキドキ感や、
あの部屋、小道具等、けっこう惹かれるディティールが所々にあります。
(ラストあたりも、結構好き)
毛の間からのぞくR.ダウニー・Jrの目が、なんだか物悲しくて可愛かった。

ちなみに、この監督さん(スティーヴン・シャインバーグ)は、
デビッド・リンチ監督作品のファンらしいです。ちょっと納得。
  
今朝の秋
NHKアーカイブスにて、ドラマスペシャル「今朝の秋」を観ました。
(1987年/90分)

【物語のはじまり】
蓼科で一人隠居生活を送る父(笠智衆)は、東京の一人息子(杉浦直樹)が
癌に冒され余命いくばくもないことを知らされ上京するが、
そこで二十年前に別れた妻(杉村春子)と再開する。

山田太一作のこのドラマ、
笠智衆、杉村春子、杉浦直樹、倍賞美津子、加藤嘉、樹木希林と
キャスティングが豪華ですぅ。

特に加藤嘉さんは、ドラマ収録の翌年に亡くなったそうで
貴重なお姿を拝見しました。
笠智衆さんと加藤嘉さんが、縁側ですいかを食べている場面、
私にとっては、すごくうれしい宝物のようなシーンでした。

加藤嘉さんといえば、ダムの下に沈む村を描いた「ふるさと」という
映画をかつて見に行った記憶があります。
若い頃の私には見えなかったいろんな事が、今なら判るかもしれないと思い
もう一度観たい映画の一つでもあります。

「東京物語」では笠智衆さんの長女役だった杉村春子さんが、
ドラマでは別れた妻役なんですが、この二人の掛け合いがいいんです。
暗いテーマのドラマの中で、一種ユーモラスなシーンになっていて。

また、傍役として欠かせない樹木希林さんが、重苦しい空気の中で
息抜させてくれるような存在で、キラリと光っていました。

この頃(昭和期)のNHK制作ドラマは、このように優れた作品が
結構あったように記憶しています。
ミヤコ蝶々さん主演『極楽家族』や、連続ドラマでは吉永小百合さん主演『夢千代日記』、
桃井かおりさん主演『花へんろ・風の昭和日記』等々。

アイドルだからとか、売れてるからという理由だけで主役にしない、
傍役にまでちゃんとした演技のできる役者を配役する。
真摯にドラマを造っている感じが好きです。
  
ブロークン・フラワーズ
ブロークンフラワーズ
監督 ジム・ジャームッシュ
(2005年/アメリカ)



【物語のはじまり】
かつて、多くの女性たちと恋愛を楽しんだ独身の中年男
ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)の元に、
差出人不明の手紙が届く。。。

すごく久しぶりに見ました。ジム・ジャームッシュ監督作品。
10年ぶり位じゃないでしょうか。
J.デップ主演の「デッドマン」をテアトル梅田に観に行って以来だと思います。
(「コーヒー&シガレッツ」観てないんですよね。←観たい。)

ほんでもって久しぶりに観たら、肌合いがいいというか、
違和感なしにスーッと馴染む感じ。

ビル・マーレイよかったです。ちょっとしょぼくれた、でもあくまで
マイペースなおやじそのものでした。会話の時の「ま」がすごくいい感じ。
この人見てると何故か、細川 俊之さん(かつて木の実ナナさんと
ミュージカル『ショーガール』で共演していた人)を思い出しました。
ちょっと困った時の犬みたいな目をしてる。
だだっぴろい殺風景な家のソファの上で縮こまっているのも、犬のよう。

ジェシカ・ラングも久しぶりに見ましたが、50代でこの女っぷり。
さすがですね、ジェシカ姉さん。

※ここからビミョーにネタバレ含みます。

で、この「結局何もないのよ」感がジム・ジャームッシュらしい作品です。
いろいろ気をもたせるけど、人生ってそんなに劇的で面白いものじゃない。
感動、汗、涙、テンポのいい話の展開なんかを求める方には向いてない映画です。

ラストシーン(ラストに向って段々そんな空気になってたけど)は、
ドン・ジョンストンのあわってぷりが滑稽で面白かったですね。
変にオチをつけて、謎解きの話にしてないところが好き。

エチオピアンミュージック(?)が耳に残ります。。。
  

ボンボン
監督 カルロス・ソリン
(2004年/アルゼンチン)
OS名画座にて鑑賞。

【物語】
南米・パタゴニア。職を失い、娘夫婦の所に居候しているファン(ファン・ビジェガス)は、
ある日、人助けをしたお礼に大きな白い犬をもらう。

好きなタイプの映画です。
冒頭のシーンから、主人公のアップの表情を撮りまくり。
この一見クロード・チアリ似のおじさん、監督が素人をスカウトしたらしいんですが、
そのせいか抑え気味の演技がじんわりときます。

主人公の生活は苦しいんですが、なんか人としての品格を
失っていない感じがよいです。

あと、まぁ予測どおりですが、犬が登場してからガラッと映画の雰囲気が和んで。
笑いを誘うタイプの犬なんですね。
「ドゴ・アルヘンティーノ」という、アルゼンチン生まれの珍しい犬種らしいんですが、
愛玩犬にありがちな「きゃばいい!」って感じの可愛さではなく、
しれっとしたブサイクな所がなんとも可愛い。
助手席に座っている姿だけで、観客に笑いがおこっていました。

パタゴニアの乾いた空気と青い空を感じられる、スロウな映画です。

※ここからネタバレ含む&話が横にそれます。
現実的に考えると、中途半端な知識の素人によるブリード(繁殖)は
許せない気持ちです。
特に日本で見受けられる、その時に流行っているといわれる犬種をお金儲けの為に
安易に繁殖させる人や、それに失敗して犬を放置する人の事を聞くと、
とても腹立たしく思います。
この映画を観ながら、チラッとそんな事を考えてしまったのも事実。
  

パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
監督 ゴア・ヴァービンスキー
(2003年/アメリカ)



【物語のはじまり】
カリブ海の港町ポートロイヤル。
海賊にさらわれてしまった総督の娘、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)を
救出するため、ウィル(オーランド・ブルーム)は、
海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)と船出する。

今日、「ワールド・エンド」を鑑賞してきたのですが、
それについてはあまり語ることはありません。
「デッドマンズ・チェスト」の方がまだしも。。。

1作目のこの作品で完結していた方が良かった、というのが
私の正直な気持ちなんです。

この作品が公開された当時、J.デップの出演作品はとりあえず
観ていたんですが、それまで結構「ニ●・オ●・●●ム」とか
「●●ズ」等のまるっきりいけてない作品にも出演していたので、
全然期待しないで観ていたんですね。

しか〜し、結構おろしろいじゃないの!
ばかばかしいんですが、ジャック・スパロウのキャラクターが
新鮮だったんですよ(今は食傷気味)。
わかりやすいけど、ちゃんとオチもあって楽しかった。
娯楽作品として、ディズニーのいい部分が出てると思いました。
キーラやオーリーもよかったし。

もちろん、この映画でJ.デップがめちゃくちゃメジャーになって
寂しい気持ちもしたんですが、これで終わってくれてたら問題なかったのに。。。
すみません、愚痴っぽっくて。
でも、「ワールド・エンド」は頭の悪い私には、話がややこしすぎて
全然楽しめんかったぁ!
  
恋愛適齢期
恋愛適齢期
監督 ナンシー・マイヤーズ
(2003年/アメリカ)



【物語のはじまり】
ハリー(ジャック・ニコルソン)は若い女性が大好きでリッチな独身貴族。
ある日、ガールフレンド(アマンダ・ピート)の別荘を訪れた彼は、
彼女の母親エリカ(ダイアン・キートン)と叔母(フランシス・マクドーマンド)に
バッタリ会ってしまう。。。

「ホリデイ」が楽しい映画だったので、前から気になっていた
ナンシー・マイヤーズ監督のこの作品。

J.ニコルソンには「恋愛小説家」以降、ひとくせある中年男性のイメージが
あると思いますが、今回もまた、板につきすぎっ。

そして、久しぶりにお目にかかったダイアン・キートンの笑顔が素敵でした。
頭はいいけど、ちょっとおかたいキャラクターがダイアンにピッタリ。

それから、好青年を演じている時のキアヌ・リーブスはやっぱりかっこええ〜!
これですよ! このさわやかさ! J.ニコルソンのギラギラしたいやらしさと好対照。
まっ、あくまでもミーハーな意見ですが、正直、「マトリックス」とか全然興味ないんで、
今後はこの路線でたのんます。(笑)

予想どおりの楽しい作品でしたが、個人的には「ホリデイ」の方が
ある意味おとぎ話みたいで好きかも。

私としては、お気に入りのフランシス・マクドーマンドの露出が
もう少し欲しいところでした。

※ここからネタバレ含みます!
大人が主人公なんで、もう少しほろ苦い結末の方が余韻があって好き。
それに、最後にあんな形であっさりキアヌを振ってしまうエリカなんて
嫌いだ〜!(←主人公やからって、もてすぎやろっ)
  

カポーティ
カポーティ コレクターズ・エディション
監督 ベネット・ミラー
(2005年/アメリカ)



【物語のはじまり】
1959年、作家トルーマン・カポーティは小さな新聞記事に目を留める。
カンザス州で一家4人が惨殺された事件だ。これを次の小説の題材にする為、
彼は幼馴染みの女流作家ネル・ハーパー・リーを伴い現地に向かう。。。

昨年、梅田ガーデンシネマで観たこの作品は、
トルーマン・カポーティの傑作『冷血』をベースにしています。

ひとことで言ってしまうと地味な映画です。そして重い。
反面、いろいろな事を感じさせる興味深い作品でした。

映画の始まりは、恐いんです。観ている側は殺人事件のあった事を
知ってるわけですから(全く予備知識のない人はどうかわかりませんが)、
カンザスの田舎、広々として静かな朝の風景が、嵐の前の静けさというか、
妙な緊張感を観るものに感じさせます。

最初のうちは、フィリップ・シーモア・ホフマン演じるカポーティ
奇異なしぐさやしゃべり方についつい目がいってしまいました。
ホフマンはカポーティ独特のジェスチャーやクセを徹底的に研究したと、
どこかで見たので、本当にこんな感じの人やったんかなぁと、
そのきどった態度に何か、カポーティが抱えていたコンプレックスの大きさを
感じさせられました。

そのカポーティが殺人犯ペリー・スミスとの間に友情のようなものを感じはじめ、
また、自分を投影して見ていくようになるんです。
自分の小説を完成させる為には、ペリー・スミスの死刑が確定して欲しいと思う反面、
死刑を阻止する為に動く自分も存在している。
そんなカポーティの心の中の葛藤を、ホフマンは見事に演じていました。

また、幼なじみのハーパー・リー(『アラバマ物語』の作者)の役を
「マルコヴィッチの穴」ではクールな女性というイメージだったキャサリン・キーナーが
演じていました。いやーあとで調べるまで全然彼女とは気がつきませんでした。
フツーに善良な中年女性の役を、存在感を保ちつつすんなりとしてはって、
やっぱり上手い人ですねぇ。

ちなみにこの映画を見た帰り、まだ読んでいなかった「冷血」を買って帰りました。
  

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
監督 ジョン・キャメロン・ミッチェル
(2001年/アメリカ)



【物語のはじまり】
旧東ドイツで男の子として生まれたヘドウィグ(ジョン・キャメロン・ミッチェル)は、
アメリカに渡りロックバンドを結成するが、かつての恋人トミー(マイケル・ピット)に
裏切られ、オリジナル曲を盗まれてしまう。。。

言わずと知れたオフ・ブロードウェイで上演されたミュージカルの映画化作品です。
舞台と同じく、監督・脚本・主演もジョン・キャメロン・ミッチェル。
作曲はスティーヴン・トラスク。

とにかく音楽が素晴らしい! オープニングから、やられました。
ミュージカルは、音楽の善し悪しで決まってしまうと思うのですが、
この映画に関しては、言う事なし!です。
久しぶりに、ロックに熱くなる気持ちを思い出しました。

ジョン・キャメロン・ミッチェルってすごいですよね〜。
この人見てると、まさに魂の叫びが歌になる! という感じです。
何かを人に伝える表現力があるって、素晴らしい事ですね。
もちろん、スティーヴン・トラスクも音楽で表現してるという意味で、
素晴らしい。

自分に欠けているもの、欠けている何か、自分のカタワレを
探し続けるヘドウィグにはどんなラストが用意されているのか。

※ネタバレ含みますので、ご注意ください。
それは観た人それぞれの解釈だと思いますが、
私には何か救われた気持ちになる嬉しいラストでした。

私もヘドヘッドかぶってノリノリで参加してみたい〜。

※ジョン・キャメロン・ミッチェルの最新作「ショートバス」が
 今夏公開される様です。楽しみなような恐いような。。。