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Author:Yururi
せっかちな関西人。 TBだけでも大歓迎です!
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| ミリキタニの猫 |
監督 リンダ・ハッテンドーフ (2006年 アメリカ)
2001年、ニューヨーク・ソーホー。リンダ・ハッテンドーフは 路上で暮らすジミー・ミリキタニを撮影しはじめる。やがて9.11のテロが起き。。。。 ホームレスの日系人アーティスト、ミリキタニ氏のドキュメンタリー。
シネ・ヌーヴォにて鑑賞。 今回、ドキュメンタリーなので基本的にネタバレです。ご注意下さい。
アメリカを垣間見た様な気がした映画。 映画の前半、ミリキタニ氏は日本に帰りたい、日本人の心は素晴らしい等と、 日本への郷愁をあらわにしますが、彼が日本でホームレスをしていたらどうなっていたかを 想像すると、うすら寒い気がします。
監督のリンダ・ハッテンドーフは、ホームレスのミリキタニ氏を自分の部屋に招き、 彼の為に奔走します。 彼女とのふれあいによってミリキタニの心が少しずつほぐれていく様子が微笑ましい。 ミリキタニ氏は彼女の家に居候しながらも、変に遠慮しない。 彼女の帰りが深夜を過ぎると我が娘の様に叱ったりして、それも可笑しい。
アメリカといえば、何かが悪いとされると一斉に攻撃してするという 困った正義感を感じる国との印象を持つ人も多いと思います(実際私も)。 例えば、喫煙や肥満などに対しても。
しかし一方で、リンダの様な博愛主義的な人の存在を強く感じられる国でもあると 思うのです(宗教の関わりも大きいかもしれませんね)。
それから、複数のお金持ちがそのお金を社会に還元しようとする姿勢も好きです (ヨーロッパのお金持ちもそうですが)。 (似合いもしないアルマーニとか宝石にやたらお金をかけて自慢してる成り金さんを 取材したりするというマスメディアにはうんざりします。)
また、9.11後のアメリカでの報道が片寄ったものになってしまったりする一方で、 少数派の意見を持つ国民も自分達の意見を主張して(その為に差別されたとしても) 黙っていない。このあたりがアメリカのいい所ではないでしょうか。 (関係ありませんが、個人的にはタイ好きです。)
アメリカに移民した日系人の歴史と強制収容所については、二十数年前に放送していた、 NHK大河ドラマ『山河燃ゆ』を観て初めて知りました。 当時、アメリカナイズされていた私には、アメリカに対する印象がちょっと違ってきたぞという ちょっとショッキングなドラマでした。 しかし、これはあくまでもドラマであって、主役の市川染五郎(現在の松本幸四郎)さんが カッコいいあまりリアリティのない悲劇という印象だった気がします。
強制収容所の体験は、たとえ生き残ったとしても、その人の後の人生に 大きく暗い影を残すものだと容易に想像できます。 しかし、過去に対するまた、アメリカという国に対するわだかまりが 溶けていったと思われるミリキタニ氏の言葉に、なんだか人間って そんなに捨てたもんでもないなぁなどという漠然とした感動が沸き起こりました。 人と人との関係性がリアルに見えてくるという意味で、 ドキュメンタリーの素晴らしさを感じる作品でもあります。
印象的だったのは、若い頃、水墨画を描いているミリキタニ氏はいかにもプロらしく 見えるのに、今の彼の絵はなんだか素人っぽいタッチなんですね。 ただ、その絵がすごくイキイキしていて色彩には何か惹き付けられるものがあるんです。 また音楽もすごく印象的で、エンドロールの間、気持ちよく聞き入ってしまいました。 個人的には、猫の魅力も満載でよかった!
先日観た「水になった村」といいこの作品といい、今、ドキュメンタリーがいいですね!
テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
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| ヘアスプレー |
監督 アダム・シャンクマン (2007年 アメリカ)
【物語のはじまり】 1960年代初頭のアメリカ・ボルチモア、女子高生トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)の夢は、 ダンスで有名になる事。ある日、地元ローカルTV局の人気番組「コーニー・コリンズ・ショー」の オーディションに参加するが。
なんばTOHOシネマズにて鑑賞。
この映画、配役がいいですね。 クリストファー・ウォーケンやミシェル・ファイファーそして、 Lサイズファッション店のオーナー役でジェリー・スティラーも出てる。 クィーン・ラティファの歌声も素晴らしいし。 きわめつけは、ジョン・トラヴォルタ! ノリノリ〜なママ役で楽しい。 映画『グリース』(30年も前とは!)をリアルタイムで観た口なんで、 なーんか懐かしかったです。そういえば、『グリース』も青春物やったなぁ。 こちらは50年代ですが、ファッションもちょっとかぶってるし。
それから、主役のニッキー・ブロンスキーもそつなくいい感じだと思います。 トレーシーの親友ペニー役の女優さんもすごくキュート。 唯一、トレーシーが憧れるリンク役、ザック・エフロン(アメリカでは スーパーアイドルらしい)にはあまり魅力を感じられませんでしたが、 好みの問題だと思うのでどうでもいいかも。 でも『グリース』のジョン・トラヴォルタは、やに下がったところが好みとはほど遠かったけど カリスマ性はあったもんなぁ。
空撮で殺風景なボルチモアの町が写し出され、オープニング曲の 『GOOD MORNING BALTIMORE』でスタート。 この元気いっぱいの曲、舞台でみたらきっと楽しくて拍手しちゃうと思います。 ところが、映画やからかなぁ。本音を言うとこのミュージカルに最後まで入り込めなかった。 (普段からミュージカル映画には、なかなか乗れない方なので)
いかにもアメリカ的なサクセスストーリーのこの作品も 舞台ならもっと素直に楽しめた気がします。 正しい事を声高に「正しい!」という勇気はすごく大切だと思うし、 特にそれが少数派の意見なら、なおさら必要な事だと思います。 でも、ひねくれもの私は、ひたすらポジティブなこの作品に乗り切れなかったのも事実。 楽しい映画である事には間違いないんですが。 ファッションと音楽があまりにもベタな感じやったのも要因だったと思います。
でも、ジョン・ウォーターズ監督のオリジナル版(1988年)は一度ぜひ観てみたい。
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| 題名のない子守唄 |
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ (2006年 イタリア)
テアトル梅田にて鑑賞。
【物語のはじまり】 北イタリア、トリエステにやってきたイレーナ(クセニャ・ラポポルト)は、 金細工の工房を営むアダケル家のメイドになる。 完璧に仕事をこなす彼女には忌わしい過去が。。。。
最初に「結末について、鑑賞予定の方に話さないようにしてください」 という主旨の メッセージが表示されましたが、それほどの意外性があるわけでもなく、 ちょっと大げさな表現かな思ってしまいました。 その言葉はビリー・ワイルダーの「情婦」の様な映画でこそ使って欲しいかも。
とはいえ、適度にスリリングなサスペンス映画で完成度は高いと思います。 イレーナの過去について、生理的に嫌悪感を感じるシーンのフラッシュバック等が ありますが、それ以外はさほど残酷な映像はありません。
ただ、この映画で歌われる子守唄に関してはなぜかあまり記憶に残りませんでした。 先日観た「パンズ・ラビリンス」とは対照的(こちらはすごく印象的)。 ちなみに、今年一番記憶に残っている子守唄は「アズールとアスマール」のそれです。
クセニャ・ラポポルトという女優さんは今迄の記憶にありませんが、 とても魅力的で、私がこの映画に入り込めた一つの要因になっています。 最初にアダケル家の家政婦だった女性や、子役の女の子等、 役者達がすごくイキイキしていて、そこも大きな魅力。
東欧の女性達が人身売買されている現実を、改めて認識させられる映画でもあります。
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| 水になった村 |
監督 大西暢夫 (2007年 日本)
第七藝術劇場にて鑑賞。
1957年、人口約1600人の岐阜県徳山村にダム建設の話が持ち上がり、 村の人々は続々と近隣の街につくられた移転地へ引っ越していく。 廃村したダム建設地を訪ねた写真家、大西暢夫と 可能な限り村で暮らし続けたいと戻ってきている老人たちの 15年間の交流をつづったドキュメンタリー。
自然破壊への警告とか、ダムの必要性を検証してみたりとか、 そんなドキュメンタリーではありません。 やがてはダムに水没する村。村全体が集団移転し、町に住宅をあてがわれた人々。 そんな中で少しでも故郷で過ごしたいと願い、村に戻って暮らす人々暮らしぶりを 淡々と撮り続けています。
最初に登場される徳田じょさんをはじめ、村で生活する人はほぼ自給自足。 ここまで自然との調和がとられている生活は、 もはや私達には大変めずらしいものになってしまっている事実に気付かされます。
電気も水道もガスもない倉庫(バラック)で一人暮らしをしている老女が 気持ちよさそうに薪でわかしたお風呂につかるシーン。 「こんな気ままな生活をさせてもらって本当に幸せだ。 こんなに幸せでご先祖様に申し訳ない。」そう言う笑顔が素晴らしい。 日々の生活の恵みに感謝し、その時を楽しんでいる彼女を見て、 こみあげてくるものを感じた。あーこれが本当の心の豊かさかもしれない。
現在の水没して存在しない村の姿を冒頭で見ているだけに、 かつての村での人々の笑い声や明るさが悲しく、せつなくなります。
登場する人達のふる里に対する愛惜の念がひしひしと伝わってきて、 胸がいっぱいになりました。もう一度観たい作品。
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| 長江哀歌(ちょうこうエレジー) |
監督 ジャ・ジャンクー (2006年 中国)
【物語のはじまり】 中国、長江の三峡ダム建設予定地、奉節。やがては水没するこの町に 16年前に別れた妻(マー・リーチェン)と娘を捜しに、 炭鉱夫のサンミン(ハン・サンミン)は山西省からやって来る。 しかし、連絡先を訪ねると、そこはすでにダム建設のため水の底に沈んでいた。
テアトル梅田にて鑑賞。
物語は、タバコ、酒、茶、アメといったチャプターによって分かれ、 サンミンとは別に、2年間音信不通の夫を探しにやはり山西省からやってきた 女性の話も同時に進みます。
ただし、この2人の話をただ追っていくだけではないんですね。 物語そのものには盛り上がりも意外な展開もありません。 奉節でなんとか生きている人、またダム建設によって移住を強いられる人々の 生活等が描かれていて、なんとなくドキュメンタリーの様なタッチです。 厳しい生活でありながら、何かそこには監督の暖かい眼差しの様なものを感じました。 水墨画の様な風景と共に、ちょっとしたエピソードの数々と独特の“間”に心ひかれます。
あせって急いで結末を求めても仕方が無い。 何かゆったりとした大らかさを感じる映画。こうゆうのを大陸的っていうのかなぁ。
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| 北極のナヌー |
↑写真絵本
監督 アダム・ラヴェッチ、サラ・ロバートソン (2007年 アメリカ)
雪と氷の世界、北極。春になり、巣穴の中からホッキョクグマの母、赤ん坊ナヌーと 双子の弟が顔をのぞかせる。6ヵ月の間何も口にせず冬を越した3頭は、 えさを求めて旅立つ。 ナショナル・ジオグラフィックのチームが、構想から10年をかけて完成させたドキュメンタリー。
なんばパークスシネマにて日本語版を鑑賞。
ホッキョクグマの双子の愛らしい動きに思わずほほがゆるんでしまうオープニングシーン。 同じ年に誕生したセイウチの赤ちゃんの話も同時進行します。 また、その他にもアザラシ、イッカク、ウミガラス等、北極に棲む動物達の生態も紹介。 特にセイウチ達の集団生活のシーンはユニークなものでした。
そんな動物達の成長の様子と同時この作品では、地球温暖化が彼等にもたらす深刻な影響と、 さらには私達の生活もおびやかされる事になるだろうと警鐘を鳴らしています。
稲垣吾郎さんのナレーションは耳障りも悪くないし良かったんですが、 最後の部分はもうちょっとさりげない内容の方が良かった気がします。 あそこまではっきりメッセージ化した文章だと、教育用ビデオの様な 仕上がりになってしまった印象は否めません。 映像がすばらしいものだっただけに、映画としてはちょっと残念かな。
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| 明るい瞳 |
監督 ジェローム・ボネル (2005年 フランス)
【物語のはじまり】 フランスのとある村で兄夫婦と同居しているファニー(ナタリー・ブトゥフ)は、 予測のつかない行動で、周りの人達からなかなか受け入れてもらえない。 ある日、兄夫婦と対立してまったファニーは家を飛び出す。
第七藝術劇場にて鑑賞。 以前、七藝で予告編を観てから楽しみに待っていた作品です。
「あー奥さん、化繊は高温でアイロン当てたらあきません!」と思わず心の中で言った 冒頭のシーン。ここからファニーのいつもの行動がちょっと想像できました。 ハタキがけしているシーンも常識派(?)のワタシは、何か割らないかと 少しハラハラしてしまったり(でも可笑しかったけどね)。
前半はファニーが精神的に不安定で社会や家族から疎外感を感じているという 描写がされていて、痛々しくもありちょっとユニークでもあります。 (「君とボクの虹色の世界」のクリスティーンを思い出しました。 クリスティーンの方がもっと楽観的ですが。)
そんな彼女が、父親の墓参りに訪れた森で言葉の通じない木こりと出会って。。。 というちょっとおとぎ話の様な展開です。 もちろん「幸せに暮らしましたとさ。めでたし〜」のラストという訳ではなくて、 あくまでも観るものに想像させるお話なんです。
森の番小屋のシーンがいいんですよ。ファニーでなくても、 のびのびと深呼吸したくなる感じ。このあたりはほとんどセリフもないので、 鳥のさえずりや、水の音が美しい静けさの中で心地よく響く。 そして、うまく弾けないくていらいらしていたピアノが 何故かここではなめらかで素敵な調べ。 シューマンのピアノ・ソロ曲が印象的でした。 ファニーがピアノカバーの中で弾く姿も可愛い。 オスカー役のラルス・ルドルフも、現代の人とは思えない不思議な雰囲気でした。
見渡す緑の中、気持ちのいい日ざしの中でドラム缶風呂なんてゼイタクですよね。 白と赤でペイントされた小屋の前のグリーンのドラム缶や、 キャンディーカラーの沢山の椅子、サラッとしたファニーのワンピース等、 可愛いディテールも楽しい作品。
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| パンズ・ラビリンス |
監督 ギレルモ・デル・トロ (2006年 メキシコ/スペイン/アメリカ)
【物語のはじまり】 スペイン内戦で仕立て屋の父を亡くした少女オフェリア(イヴァナ・バケロ)は、 母の再婚相手でもある独裁主義のヴィダル将軍(セルジ・ロペス)に、 身重の母と共に呼び寄せられる。そこは、内戦終結後もフランコ政権に抵抗する ゲリラ部隊の潜む山間部であった。
梅田シネリーブルにて鑑賞。。。なんですが、 バカ バカ 私の大バカッ〜! 映画の開始時間を勘違いしてて、 最初の3分程を見逃してしまったよ! トホホ。。。 情けない気持ちでいっぱいでしたが気持ちを切り替えて、というか この独特な世界に引き込まれて、いつの間にか映画の世界にすっかりはまってました。
フランコ独裁政権下、ファシストの国であったスペインが背景です。 もちろん、本当のフランコ政権がどの様なものだったのかは私にはわかりませんが、 この作品に登場するヴィダル将軍に関しては、映画的に 思いっきり残酷な悪の象徴として描かれています。 なので、暗いです。それから、グロテスクです。 繊細な方にはお勧めできません。 私でさえも、指の間から目を細めてしか見られないシーンがいくつかありました。 まさしく「きゃー、やめてぇぇ!」です。プチストレス感じます( ̄▽ ̄;A
そんな暗い現実のシーンと幻想的なファンタジー(と言っても可愛いものじゃありません)が 交錯するお話ですが、このファンタジーの部分がすごく面白かった。 なんか、独自の映像美なんです。 ほんの少しセピアがかっている様な色彩と、ユニークなクリーチャー達。 可愛くもなく、恐いとも言い切れず、ちょっと可笑しさもあって、 特に第二の試練で出て来る子殺しのモンスターが印象的。
現実の部分に関しては、ヴィダル将軍の妙なこだわりと、それにまつわる 最後のエピソード等は面白かったんですけど、ちょっとした疑問もチラホラと。 メルセデスを演じていたマリベル・ベルドゥが光ってましたね。 「天国の口、終りの楽園。」の男前な役といい、なんか味わいのある女優さんです。
軽くストレスを感じながらも、個人的にすごく好きなラストだったので 後味の悪さはありません。観る側のとらえ方により、いろいろと想像できるという意味で 余韻を楽しめます。誰かと語りたくなるかも。
それにしても、マンドラゴラの叫びが恐かったよぉ。
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| エディット・ピアフ 愛の讃歌 |
監督 オリヴィエ・ダアン (2007年 フランス/イギリス/チェコ)
【物語のはじまり】 1915年、パリで生まれたエディット(マリオン・コティヤール)は、 祖母が経営する娼館で育てられる。 その後、軍隊を退役した大道芸人の父に引き取られ、人前で歌う事を覚えるが。。。。 「ばら色の人生」、「愛の賛歌」などで有名なフランスの国民的シャンソン歌手、 エディット・ピアフの生涯を描く伝記映画。
TOHOシネマズなんばにて鑑賞。今さらですが、ネットで座席指定して チケットが購入できるって便利!ですね。余裕をもって劇場に行けるので ラクチンです。東宝と違って、松竹系の映画館だと詳細な座席指定ができないのが、 ちょっと残念ですが。
さて、エディット・ピアフのこの映画、偶然にも彼女が実際に亡くなったとされる 10月10日に鑑賞する事になりました。 素晴らしい作品! 観終わった後なかなか現実に戻れない、 余韻にひたっていたい映画でした。
1900年代初頭、パリ下町のゴミゴミしたシーンから、エディットのおかれている 劣悪な環境がひしひしと伝わってきます。それでも、この時代のパリ(またはロンドン)の 生活を感じさせるシーンってなぜかウキウキしてしまう。 その後の、ノルマンディーの娼館では、祖母の静かな演技が印象的。 エディットを甘やかす事はないけれど(やがて来る別れを予感しての事か?) 愛情を持って見守っている彼女や、猫かわいがりする娼婦達にホッとします。 過酷な生活に絶望しているはずの娼婦達ですが、 ティティーヌの歌が可愛いくってクスッと笑えたりして。また、彼女達の信心深さに も、神に助けを求める事しかできない無力さが伝わってきて、心が痛くなります。 エディットにとって、この時代の経験が大きく影響しているのではないでしょうか。
父親と大道芸で回っているうちにエディットは歌う様になるんですが、 少女時代に初めて歌うシーンが! これもまた、いいんです。 あの子役の澄んだ瞳、そして声には少なからず感動しました。
そして、大人になってからのエディットを演じるマリオン・コティヤール! 彼女の圧倒的な熱演。数少ない機会でのみ私が知っているピアフのイメージ そのもの(ちょっと誇張気味ですが)。 ところで、彼女に見い出されて恋人関係でもあったというイヴ・モンタンとの エピソードが出てきませんでした。待ち構えて観ていたので、 ちょっと肩すかしでしたが、マルセルとの関係をクローズアップするためにもまぁ、 どちらでもいい気もします。マレーネ・デートリッヒとのシーンはなんか感激したし。
この映画ではもちろん、傍役の人達も素晴らしい。ジェラール・ドパルデューをはじめ、 魅力的で個性的なフランス俳優陣の層の厚さを感じさせる作品でもありました。 エディット父親役を、大好きなフレンチドラマ「ジュリーレスコー」の レヴェイユ(ジャンポール・ルーヴ)が演じていたのも嬉しい発見です。
また、現在と過去が交錯する作り方も個人的には好みでしたね。 絶望的になり過ぎてしまいがちなシーン等を新たな視線で観る事ができるきっかけにしたり、 物語に膨らみを持たせる事ができて良かったと思います。 最後の回想シーン等も感慨深いものがあって。
とにかくエディットの歌に圧倒され続け、どっぷりその世界に浸ったので 140分という時間は全く長く感じませんでした。 久しぶりに観た映画らしい正統派映画です!
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| エマニュエルの贈りもの |
監督 リサ・ラックス、ナンシー・スターン (2005年 アメリカ)
第七藝術劇場にて鑑賞。
西アフリカ、ガーナ出身の義足のアスリート、エマニュエル・オフィス・エボワに 密着したドキュメンタリー映画。
障害を持つということが「前世代の悪行より呪われて発生した結果」という考え方が 発展途上国ではよくある事なんでしょうか。 「ブラインドサイト」で観たチベットでの盲人に対する差別や偏見を思い出しました。 またそれだけではなく、社会的に障害者の保証がない国家では、経済的にも非常に困難な 立場にさらされ、物乞いとして生きて行くしか道しか残されていません。
そんな中、エマニュエルをささえたのはひとえに母親や家族(親戚)の愛だと 感じました。映画の中に母親が登場する事はありませんが、 彼が誇りを失わず前向きに困難に立ち向かう事ができるパワーの源が、 母が彼に残した言葉の数々から感じられます。それとは逆に彼の父親は。。。。 ネタバレになってしまうので言えませんが、人間としての大きさの違いを感じました。
ただ惜しいのは、アメリカ映画的というと偏見かもしれませんが、 あまりにもエマニュエルをヒーローとしてカッコよく撮る意図が見えてしまってて。 その辺がいまひとつ素直に受け入れられない“のり”でした。 ポーズきめてるショットとか要らないんですよね、別に。 そんな事しない方がよっぽどカッコいいんですよ。生き方そのものが “感動”を与えるんですから。ガーナの夕日は美しかったけど。
自分自身のハンディキャップに打ち勝つことをきっかけに、 ガーナにおける障害者の生活改善や自立に対して精力的に活動する彼の姿には、 こんな私でも何か成し遂げられる事があるかもしれないなぁと考えさせられる “力”がありました。
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| めがね |
監督 荻上直子 (2007年 日本)
【物語のはじまり】 南の島に春がきた頃、小さなバッグ1つを手にこの島にやってきた サクラ(もたいまさこ)。時を同じくして、タエコ(小林聡美)も 島の空港に降り立った。大きなトランクを引きずりつつ、 小さな宿・ハマダにたどり着くが。
梅田ガーデンシネマにて鑑賞。
最初はね、ずるいなぁと思ったんですよ。フツーに考えて、 透明感あふれる静かな青い海と波の音、あたたかな日差しや爽やかな風を 感じられる映像を観たら、それだけで和むじゃないですか。 でも、映像だけに頼ってる訳じゃないんやし、そうとも言われへんかなと。
私にとって、今回の映画のキーパーソンはもたいまさこさん演じるサクラですね。 その存在自体に惹き付けられる人物として描かれていた気がします。 なんつーか、押し付けがましく無い包容力があるというか。
「かもめ食堂」では、小林聡美、片桐はいりさんと共に主要な登場人物が 皆、すごくまっとうで素直で好感をもてる人物だったんですが、 今回は、ちょっとかたくなだったりするそこらへんにいそうな人達も出てきます。 例えば、タエコ。離島に来て観光って! 小さな宿に泊まって知らない人と 関わり合いたくないという態度にも大きなクエスチョンマークです。 かなり旅慣れてない印象ですよね。 地元の教師、ハルナもちょっと意地悪な所があったりします。 極め付けは宿の主人、ユージ。いままで何回か離島の民宿には泊まって感じた事は、 泊まり客が自分で要求しないと、結構ほったらかしって事です。 (旅館じゃないんやから、当たり前やけど) それにしても、お客さんの夕食をちゃんと準備せずに放置するなんて事は 絶対ありえへん! それから「これ以上お客さん増えると困るから」って 何回も言いあたりがちょっと鼻につくよなぁ。 「たそがれる」という言葉も、手垢の付いた表現という感じがしてしまったし。
とはいえ、この“間”の心地よさはなんだろうか。 ちょっとしたエピソードも面白くてほのぼのとする。 自転車の後ろに乗るあたりが最高潮。例えば、小学校からの帰り、 遅くまで遊び過ぎて暗くなってしまい心細くなった所に、思いがけずお母さんが 迎えに来てくれてホッとした様な気分になった。
そういえば、タエコが寝る時に着ていた白い服はすごく可愛かったけど、 普段の洋服(特に白黒のトップスとか)が、ちょっと島では浮いていた様な 気がしました。あんな豪華な食事が振る舞われるのは考えづらいとか、 小豆氷の代金の事とか、ちょっと?な所もあったけど、 タエコの心が段々とほどけていく感じはよかったですね。 なんやかんや文句いいながらも、好きな映画ではあります。 (「かもめ食堂」の方が、食欲のそそられ度合いという意味でも 私の中では優っていますが。)
それにしても南の島は映像として見るよりも、とりあえず行きたい所です。 サクラさんが来る時期には絶対訪れたい! (↑現実とごっちゃになってる。。。)
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